家庭の味に欠かせない万能調味料「味噌」

日本の家庭料理で忘れてはならないのはやっぱり味噌汁ですよね。毎日食卓に出ても飽きないあの優しい味わいを作り出しているのは、味噌汁の名前の通り「味噌(みそ)」です。
味噌は、米を主食とする日本人の食生活に欠かすことのできない大豆食品の一つです。大豆を蒸してつぶし、それに小麦、大麦、米、または大豆で作った麹(こうじ)と塩を加えて混ぜ、発酵させて作ります。熟成にかかる期間は数ヶ月から三年とされていますが、半年から一年が一般的です。
味噌

味噌は約2500年前に中国で初めて作られ、7世紀に仏教僧によって日本に伝えられました。その後数百年かかって、元来の中国のものから現在の日本独自のものに変化しました。奈良時代、味噌は調味料としてよりも保存食として食べられていました。
味噌をつまみにお酒を飲むこともあったそうですよ。一般庶民の間に広まったのは室町時代になってからで、調味料として使われるようになったのは江戸時代のことです。

かつては各家庭で味噌を手作りしていたため、味噌の風味は家庭によって異なっていました。現在でも、各地方やメーカーが独自の味噌を作っており、味噌の種類は数多くあります。味噌蔵の数だけ種類もあるとも言われています。
その中でも大きく分けると、
・米味噌…米、大豆、塩を原料として作られる
・麦味噌…麦、大豆、塩を原料として作られる
・豆味噌…大豆、塩を原料として作られる
・調合味噌…米味噌、麦味噌または豆味噌を混ぜ合わせて作られる
の4種類に分けられます。その中でも現在生産されている約8割は米味噌です。
味噌2

味噌を使った代表的な料理には、味噌汁、豚汁などの汁物が多いですが、味噌には匂いを吸収する働きがあるので、匂いの強い魚を煮るのなどにも使われます。他には、塩分を多く含むので肉や魚を味噌漬けにして保存する利用法もあります。

また、昔から「味噌は医者いらず」と呼ばれるほど健康にも良いとされていて、ガンや生活習慣病のリスクを下げたり、コレステロールを抑制したり、老化を防止したり、美白効果まであると言われています。毎日欠かさず味噌を食べているおかげで、日本は長寿の国なのかもしれないですね。

Photo by acwork, 挪威 企鵝

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