風鈴の美しく涼しげな音色で夏を乗り切ろう!

夏の住宅街を歩いているとあちらこちらから聞こえてくるのが「風鈴(ふうりん)」の音色です。チリンチリンと涼しげな音色は、聞いているだけで暑さが少し和らぎます。

「風鈴(ふうりん)」とは、金属やガラスでできた釣鐘型の小さな鈴のことで、主に夏の間に家の軒先などに吊り下げておきます。鈴の下には短冊と呼ばれる長方形の紙がついていて、そこには日本の古い詩や歌が書いてあります。この短冊が風で揺れることで鈴を鳴らす仕組みになっています。金属やガラスの優しく涼しげな音は、日本の蒸し暑い夏の風物詩です。
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風鈴は中国で使われていた「占風鐸(せんふうたく)」という道具が起源となっています。「占風鐸」とは、竹林の中に吊り下げて風の向き、音の鳴り方で物事の吉凶を占うもので、仏教の普及と共に日本に渡来してきました。厄除けの効果もあるとされ、お寺の四隅に風鐸をかけ、その音が聞こえる範囲の住民には災いが起こらないとされていました。そのため、日本でも平安時代や鎌倉時代は疫病が家の中に入ってくるのを防ぐために釣り下げられていたそうです。
現代と同じガラス製の風鈴が出回り始めたのが、今から約300年前です。ガラス職人が見世物として作ったものが始まりとされています。当時はガラスを加工する技術があまりなかったために、なんと200〜300万円で売られていたそうです!現在の価格と比べると、その差はなんと1000倍です!そんな高級品だった風鈴も、ガラスを加工する技術が普及し、ガラスの価格も安くなったことから、庶民にも親しみやすいものとなりました。

様々な種類のある風鈴ですが、中でも有名なのが「江戸風鈴(えどふうりん)」です。名前の通り、江戸時代から作られています。江戸風鈴と名前がつけられる前は、ガラス風鈴や、ビードロ風鈴と呼ばれていました。江戸風鈴は一つ一つ手作りなので、同じ形、同じ柄でもそれぞれ異なる音がします。江戸風鈴の特徴は、鳴り口の部分をわざとギザギザのままにしておくことです。コップのふちのように滑らかにしてしまうと、滑ってしまい良い音が鳴らないのです。職人さんが一つ一つ丁寧に作り上げる江戸風鈴は音でも見た目でも涼しさを感じられます。
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