お正月のご馳走を詰める箱ってなんだ?
日本では、1月1日~1月3日の年明けのお正月に、新年をお祝いするために「おせち」と呼ばれるご馳走を食べる風習があります。おせちは、お正月に食べると縁起が良いと言われている食材を中心に、重箱(じゅうばこ)と呼ばれる器に盛り付けられます。
お正月のおせちに限らず、お花見や運動会の時のお弁当を詰める時などの容器として使われます。重箱に詰めるととても見映えが良くなり、料理の豪華さが増します。重箱は二重~五重に積み重ねられ、最上段にフタを付け、ハレの日(おめでたい特別な日)の料理を入れる箱です。記念日やイベントの時に用いられます。
正式には四季を表す四重の重箱が一般的です。形は基本的に四角ですが、重箱によっては円形や六角形、八角形のものもあります。
重箱は木製のもの、合成樹脂、漆器などの素材で作られる事が多く、中には紙のものや、陶磁器で作られたものがあります。
重箱に揚げ物を付けて持ち運べるようにした「揚げ重」というものもあります。
重箱については、室町時代の文献にすでに記載されているので、歴史はかなり古いと考えられますが、一般庶民に普及したのは江戸時代です。武家や大名などの間では、漆塗りや蒔絵など豪華なものが作られました。狩りに出掛ける時には、持ち運び便利なものも使用されていたようです。最近はポリプロピレンなどの新素材によるお弁当箱が普及しましたが、最近は目にする機会は次第に少なくなってきています。
ところで、そもそもなぜ料理を重箱に詰めるのかと思いませんでしたか?実はこれにもちゃんと意味があったのです。重箱に詰めるのは、「めでたさが重なるように」との願いを込めるためだからです。
また、ある説では、たくさんの料理を用意するおせちでも、重箱に入れておけば重ねて置けるので場所を取らないからと言われています。おせち料理は何日かに分けて食べるので、ホコリや虫が入らないようにフタが必要という点でも、重箱は保存に適しているのです。
昔は現在のようにサランラップなどなかったので、フタがあって重ねられる重箱が活躍していたのですね。
日本のおせち文化について学んでみよう↓
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