日本の美しい伝統工芸!漆塗り
日本古来の伝統工芸品で有名な漆器(しっき)。
海外では「ジャパン」と呼ばれる事もあり、外国の方の中にも漆器収集家がいるくらい、人気の高い日本自慢の工芸品です。
漆器作りに使われる漆(うるし)は、「ウルシオール」という樹脂分が主成分ですが、
その他にも水分、ゴム質、酵素を含んでいます。
この成分比率は、採取される国によっても違っていて、それぞれの漆の性質の違いになってきます。
漆は天然のものなので、採取した国や産地、採取した年代や時期によっても
漆の成分が異なり、粘度や乾きの早さなどの性質が違ってきます。
それらの性質を把握し、異なる漆を組み合わせるなどして、使用目的にあった適当な漆を作り出す事が、漆を上手に扱うためのノウハウになります。
例えば、日本とベトナムで採取される漆では、主成分のウルシオールの割合が大きく異なり、
日本が2倍ほど多くなっています。
漆塗りについてもっと詳しく知ろう!↓↓↓
日本で使う場合、日本の漆の品質が最も良いとされるのは、元々日本の気候や風土にあった
成分の漆が採取されるからです。
会津塗(あいづぬり) ・・・福島県
鳴子漆器(なるこしっき) ・・・宮城県
木曽漆器(きそしっき) ・・・長野県
小田原漆器(おだわらしっき) ・・・神奈川県
越前漆器(えちぜんしっき) ・・・福井
金沢漆器(かなざわしっき) ・・・石川県
若狭塗(わかさぬり) ・・・福井県
輪島塗(わじまぬり) ・・・石川県
紀州漆器(きしゅうしっき) ・・・和歌山県
京漆器(きょうしっき) ・・・京都府
香川漆器(かがわしっき) ・・・香川県
琉球漆器(りゅうきゅうしっき) ・・・沖縄県
漆塗りで作られるものには、汁物椀、煮物椀、お吸い物椀など、主にお椀が多いです。
漆の木の表面に傷をつけ、そこから出てくる乳白色の樹液を採取したものが、漆液の元です。
この漆液をろ過し、木の皮などの取り除いたものは、「生漆(きうるし)」と呼びます。
これが一般的な漆の元になるもので、このままでも摺り漆(すりうるし)として使われます。
漆の木は、日本や中国、東南アジアなどに分布していて、
以前は日本各地で漆を生産したようですが、
現在では、日本で使う漆の90%以上が中国から輸入されています。
漆以外にも、塗料(カシュー、ウレタン塗料など)を塗ってあるものも、広い意味で漆器と呼びます。
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