手軽で美味しい!庶民に愛される「お好み焼き」
近年日本でもファストフード店が増え、手軽に食べられるものが増えてきました。そんな中でも手軽に食べられ、古くから庶民に愛されている絶品料理と言えばお好み焼きです。
お好み焼き(おこのみやき)は日本で最もポピュラーな食べ物の一つです。特に関西では毎日食べる人もいるほど人気があります。水に溶いた小麦粉を生地にして、野菜、肉、魚介類を中に混ぜ込み、鉄板の上で焼き上げ、仕上げにソース・マヨネーズ・青のりなどを上にかけて完成です。これが基本の作り方ですが、地域や作る人によって焼き方や具材が変わります。
お好み焼きは長年愛されている食べ物ですが、いつから食べられていたのでしょうか?お好み焼きのルーツは今から400年以上も前の安土桃山時代にありました。茶道を作ったことで有名なあの千利休(せんのりきゅう)が作らせていた「麩の焼き(ふのやき)」がお好み焼きの元になっていると言われています。千利休と言えばもちろんお茶ですよね。千利休が作らせていた麩の焼き、これはなんとお茶菓子だったんです!今のお好み焼きからすると、元がお茶菓子だったなんて想像出来ませんね。今のお好み焼きの形になったのは、約150年前の明治時代です。あんこなどを中に入れていたのが、野菜に変わり、お菓子から主食的存在に変わっていきました。
お好み焼きが庶民の間で広まったのは戦後のことです。食料不足で食べ物に飢えていた時代、空腹をいやす食べ物を求めて、人々が懸命に食べるものを探し求めていた時にクローズアップされたものが、子どもたちの間で人気のあった駄菓子屋の「一銭洋食」でした。小麦粉を水で溶いて焼いたものにネギなどをのせてソースをかけて食べる一銭洋食。戦前は子どもの食べるものとしか見られていませんでしたが、安く手軽に食べられ、腹持ちも良いといった理由から庶民の間に広がっていきました。その後お好み焼きは大人が充分満足出来るよう素材や焼き方が改良され、今に至ります。
お好み焼きという名前も、名前の通り自分の好みのものを入れて焼くものなので、中にはネギをたっぷりのせる「ネギ焼き」や、イカやエビ、高級食材をふんだんに使うものまであるので、自分好みのお好み焼きを作ってみるのも楽しいですね!
Photo by りあん, ぬく森