美しいわびさびの世界「茶道」で和の心を学ぼう!
日本の伝統文化の代表と言えば「茶道(さどう)」です。着物を着て、和室で正座をして抹茶を飲む。日本の特徴が全て詰まっていますね。日本に来て経験してみたい!という人も多いのではないでしょうか?
茶道とは、主人が客人を招き、お湯を沸かし、お茶を点て、お茶を振舞う儀式です。簡単に言えば、古くから伝わるお茶を楽しむ会のことです。
流派によって作法や手順は違いますが、大体の手順はこうです。お茶を点てることを、点前(てまえ)と言います。主人がお茶を点てる道具を茶席に運び、客人の前で茶器、茶碗などを清め、茶碗をお湯で温めます。茶碗に抹茶を入れ、湯を注ぎ、茶筅(ちゃせん)でかき回し、点てた抹茶を客人に出します。茶碗が自分の正面に置かれたら、まず一礼をします。茶碗を手にとる前に、主人に「お点前いただきます」とあいさつをします。茶碗を右手でとり、左手にのせ、右手を添えます。時計の針の方向に二度まわして、向きを変えて抹茶をいただきます。
この時にポイントがいくつかあります。
まず、抹茶を飲んで楽しむだけでなく、茶碗を見て楽しむのも大事です。主人は茶碗を客人の前に運ぶ際に、相手から見て茶碗が一番美しく見えるように正面に向けています。これは客人に対する尊敬や敬意の意味に加えて、見た目の美しさも楽しんでほしいという思いが込められています。その思いに応えるように客人は茶碗の美しさを堪能しつつ、主人への尊敬や敬意を示すために茶碗を回して主人に正面を向けるのです。
もう一つ覚えておきたい言葉が「お先に」です。
茶道では、抹茶と一緒に茶菓子が出てくるのですが、これを主人に出された順にいただいていきます。隣の人が食べ終わったら自分の番なのですが、まだ食べていない隣の人に「お先に」と言ってから抹茶や茶菓子をいただきます。このような心遣いや心配りがとても美しいですね。
マナーや手順などがたくさんあり、一見難しいように感じますが、本来お茶を楽しむための会なので、日本に来た際は気楽に是非体験してみてくださいね!
Photo by mrhayata, Hideyuki KAMON