優しい日本の風「うちわ」
電気も使わずにどこでも風が起こせる「うちわ」。
エアコンや扇風機、保冷剤など便利な物は沢山ありますが、電気が必要だったり、持ち運びができなかったり…何かと制限がつきますよね。
それに対して、昔から形を変えずに親しまれているうちわは、他に何も用意する必要がなく、暑さを凌ぐことができます。
うちわの用途は扇いで風を起こすことです。
夏の暑さを凌ぐのはもちろん、ガスコンロが普及するまでは炭の火熾しにも使われていました。
今でも、バーベキューなどで火を熾す時に使いますよね。
また、お祭りや花火大会には多くの人が持っているのを目にしますし、酢飯を作る時にも活躍していたり…鰻屋さんや焼き鳥屋さんがパタパタ扇いでいるのもうちわです。
日本人の生活に密着したアイテムなんですね。
昔は竹と和紙の手作りでしたが、最近ではプラスチックの物が主流です。
キャンペーンや広告情報を印刷した物も多く、会社の宣伝に使われたり、アイドルのファンが好きなタレントの名前や写真を貼り付けて応援しているのも良く見かけます。
しかし、今でも日本の伝統工芸として、昔ながらの製法で作られているうちわもあるんですよ!
・房州うちわ(千葉県)
・京うちわ(京都府)
・丸亀うちわ(香川県)
日本の代表的なうちわはこの3つ。
「日本三大うちわ」と呼ばれています。
それぞれに個性や特徴があり、房州うちわは経済産業大臣指定の伝統的工芸品でもありますし、京うちわは金や銀などで装飾された豪華な物もあります。
また、それ以外にも「水うちわ」という個性的な物もあります。
見た目が透けているのと、水につけて使うのが特徴です。
一般的な和紙よりも細かい繊維でできた和紙を使い、水に濡れても破れないようにニスを塗っているため、見た目が涼やかな気化熱で暑さを和らげるうちわです。
職人が丹精込めて作り上げたうちわの風は、特別に心地よいものです。
現代の手軽で簡易的な物も良いですが、昔ながらの手作りのうちわを1本持っているのも、お洒落だと思いませんか?
夏の着物や浴衣に合わせて選んでみるのも良いかもしれませんね。
綺麗な柄や色で暑い日の心も和ませてくれますよ。
最近では、柄や素材、染め物を使うなどのオリジナルな作品作りも行われていますし、伝統的な部分を残しながら、現代の生活に合うようにデザインされた個性的な作品も沢山あります。
宣伝用のうちわだけでなく、1度、本物のうちわを手に取ってみれば、その良さが分かるはずです!