日本人の心が表れる「生け花」「華道」
花を生けて飾ることは「フラワーアレンジメント」と呼ばれ、世界中で見られる生活習慣でもありますが、花の生け方や作法にまでこだわる手法を文化にしているのが日本の「華道」です。
俗に「生け花」とも呼ばれています。
他国にも同じように花を美しく生ける文化はありますが、主に色彩に重点を置いていますよね。
日本の「華道」や「生け花」は、花そのものを主張するのではなく、花を使って他の表現を行っているのです。
そして、他国とは違う日本独特のスタイルやフォームは、海外からの関心も集めているんですよ。
日本の「生け花」「華道」の歴史は、仏教が日本に伝わった6世紀頃。
インドでは仏様の前に花が撒き散らされているのに対し、日本では花を容器に挿していました。
これが日本の「生け花」「華道」の要素を作り上げた始まりです。
そして、日本の「生け花」「華道」は、他国では色彩に重点を置くのに対し、形状やライン、作法に重点を置いているのが一番の特徴です。
非対称的な形状と空虚なスペースを基礎とし、素材や容器、配置などで協調性を大切にします。
そして、精神的な面でも、静かな場所で全てのものに感謝し、慎ましやかな生き方を得る時間とするのです。
日本の「生け花」「華道」は、古典的なものからモダンなものまで、幅広いスタイルを持っており、それぞれの流派や花の扱い方が決まっています。
主に「立花」「生花」「盛花」「自由花」があり、花を立てたり、風景を重視するもの、角度の計算方法まで、様々なルールがあるのです。
そして、何百というタイプの「生け花教室」や「華道教室」があり、指導員レベルや名人レベルなどの資格を取得することができます。
花を飾るという単純な作業の中に、「景色」や「心の状態」などを巧みに表現する日本の「生け花」「華道」は、日本人の心の繊細さがよく分かる文化とも言えるでしょう。
芸術としての難しさがある反面、1人1人の個性や感性も重視され、日本人の「美しいものを愛する心」が表現された奥深いものなのです。