龍が奏でる神秘的な絹の音色「琴」
日本のお正月の定番曲「春の海」、そして春の定番曲「さくらさくら」。
どちらも「琴」の代表曲です。
オペラ「蝶々夫人」にてプッチーニが「さくらさくら」の旋律を取入れるなど、海外から見ても「日本的」だと感じる楽曲の1つです。
↓「春の海」
↓「さくらさくら」
琴は、古代中国から伝わり、日本で独自の発展を遂げた楽器です。
13本の弦が張られ、可動式の「柱」を立てて音の高さを調節します。
そして、高貴な生き物として崇められていた龍の形を真似て作られ、右側を「龍頭」=「龍の頭」、左側を「龍尾」=「龍の尻尾」と呼び、貴族の女性が楽しむ高級な楽器として親しまれていました。
相撲の力士の名前に「琴」という文字が多く使われることからも、日本に根付いた伝統楽器であることが分かりますね。
琴の演奏方法は、右手の指に「爪」を付け、左手で弦を押して音色に表情を付けていきます。
「爪」はギターで言う「ピック」の役割ですね。
このような演奏方法をする「琴」の音色は、ピアノやハープなどの伴奏楽器にも匹敵する美しさから「絹の音色」とも呼ばれ、日本独特の情緒や繊細さを表現できる優れた楽器なのです。
また大正時代に発明された「大正琴」は、鍵盤で弦を押さえながら右手の爪で弾くという個性的な演奏方法をする「琴」もあります。
タイプライターからヒントを得て発明されたんだとか…。
現代では、プロの奏者が様々なジャンルの曲を演奏したり、コラボレーションしていることで、海外からのファンも多く、「琴を習ってみたい!」という人も増えているんですよ!
「琴」は、日本の学校でも授業に取り入れているほどですから、比較的馴染みやすい伝統楽器かもしれませんね。