こいのぼりは武士の証!?男の子の成長を願う鯉の意味って?

5月になると澄んだ青空に悠々と泳ぐこいのぼりを目にします。
日本では、こどもの日という国民の祝日になると、男の子の成長を願ってこいのぼりを掲げます。
日本の伝統的な年間行事の1つとして端午の節句と呼ばれている日です。

こいのぼりの原型となる習慣が誕生したのは、江戸時代中期の頃。
端午の節句という行事として家の庭に武者のぼりという旗を掲げることが定着したのが始まりです。
武者のぼりとは、戦国時代の武将が掲げていた旗のことで、時代劇の戦のシーンで家紋の付いた旗を立てている場面は見覚えがあるのではないでしょうか。
あの旗こそがこいのぼりの原型なんです!
武士が旗を干す習慣を、庶民が真似てできたのがこいのぼりなんですね。
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現在のこいのぼりは…
真鯉が父親、緋鯉が母親、青い鯉が子供…の3匹が一般的です。
一番大きな真鯉が黒、緋鯉が赤、一番小さな鯉が青となっています。
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父親の大きく黒い鯉は、冬の水を表しています。
生き物が活動をしない冬に、全ての命の源である水は必要不可欠なものですよね。
黙って座っているだけで存在感のあるどっしりと構えた姿は、一家の大黒柱である古き良き日本のお父さんを表しているんですね。

母親の赤い鯉は、夏の火を表しています。
夏は沢山の生き物が成長する季節ですよね。
そして火は、人間が知恵を得て文明を築き上げた源でもあります。
子供を産み、育て、生活の知恵を築く日本の暖かいお母さんを表しているんです。

そして、子供の青い鯉。
これは春の木を表しています。
春は草が芽吹き、全ての生命がすくすくと育っていく季節ですよね。
子供が春の木のように真っ直ぐのびのびと育っていく様子を表しています。

このように、こいのぼりは平和で暖かな家庭を表しています。
そう思うと、澄んだ空に泳ぐこいのぼりが一段と素敵に見えてくるのではないでしょうか。
そして、こいのぼりには子供の健やかな成長や出世を願った親心が込められているんですね。
どの時代にも親が子に込める思いは変わらないということでしょう。
5月の美しい日本の風景ですね。

Photo by 裏之角、湯村温泉、秀光人形工房

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