落語は日本の伝統芸能!人々の知恵が生んだ笑いの文化とは…。
日本の伝統芸能「落語」。
他の伝統芸能などとは違い、身振り手振りだけで話を進めます。
着物を着た演者は1人。
衣裳や舞台装置などはありません。
扇子と手拭いだけを使いこなし、身振り手振りで1人で何役も話を演じます。
演者の技と聴き手の想像力で世界が広がっていく、とてもシンプルで身近な伝統芸能です。
落語の始まりは室町時代から安土桃山時代の頃。
戦国大名に仕え、話の相手をしたり、世情を伝えたりする人達です。
その中の1人が、豊臣秀吉の前でとても面白い話をして喜ばれたこともあるそうです。
そして江戸時代になると、有料で話を聞かせる人達が登場します。
江戸時代の落語は、身分の低い人々の中で進化していきます。
毎日の辛い生活を一生懸命生きていた人々の知恵が笑いと一緒に語られています。
京都や大阪では、道端や神社の境内に舞台を作り、通りすがりの人達に自作の話を披露して商売をしていました。
これが上方落語です。
そして、江戸では演者が座敷に招かれて話を披露します。
これが東京落語です。
野外で通りすがりの人達に聞かせる上方落語は、目立たなければいけませんよね。
なので、三味線や小道具を使ったり、お客さんへのサービスも欠かせません。
逆に東京落語は、決まった少人数のお客さんを相手にします。
目立つ必要は無いので、扇子と手拭いがあれば十分だったのでしょう。
簡潔でサラっとした話が粋だと言われています。
お客さんの反応はあまり気にせず、演者のペースでどんどん話を進めていくのが特徴です。
落語は1人で座って演じる芸です。
話だけで物語を進め、扇子や手拭いだけで色々な物を表現していきます。
上半身のちょっとした動きや角度、そして巧妙な話術と表現力が欠かせません。
登場人物の会話がどちらのセリフか分からなければ面白くないですもんね。
シンプルだからこそ難しい。
だから落語家と呼ばれる人たちは、何年も修行をするのです。
同じ話でも演者によって全然違いますし、1度話を聞いてみればその面白さが実感できると思いますよ!
Photo by LINKBAL,JOY